わたしの産んだ、3人めのこどもは、のゆり、という。

21トリソミー、ダウン症を持つ三人目のこども、のゆりとの日々。きょうだいブログ『あおとわたし』(https://aoinotediary.hatenablog.jp/)も始めました。

2018-01-01から1年間の記事一覧

ソフトクリームのかんぺきなかたち

友達家族と出かけるかりんを駅まで送り、早々にスーパーで今日の買い物を済ませて家まで歩いていたらふと、昨日みたカイトの大泣きを思い出した。 昨日は、シンガポールに住んでいるりょーこが、4歳と0歳のカイトとナオを連れて帰ってきたので、こどもたち…

ばいばい

そういえば、きょうのゆは、ばいばい、を理解した。前から理解していたのかもしれないけれどそのことをわたしが知った、ということ。お母さんといっしょ、がテレビで流れてて、最後に、「みんな、またねー!!」という声がしたらのゆが床に寝たまま、両手を…

はいえんのみち

きょうはのゆの退院後診察で、レントゲンを撮って診察をうけてきた。退院していっしゅうかん経つけど、「ちょーけんこうなおとな」ならもうきれいになってることもあるけど、こどもだとそうはいかない、という先生の言葉どおり、のゆの肺はまだ、はいえんの…

おきゃくさま。

昨日、うちの近くのギャラリーにいくから、と、とつぜん聖子がきた。正確には、お茶しない?というメッセージで、あおいがお昼に帰ってくるし…カフェに座らせておくのは至難の技だし…とあれこれ考えた挙句、荒れ放題のうちを10分で片付けて家に来てもらった…

のゆの退院。うさこちゃん。

のゆは3人きょうだいのなかではたぶん一番たくさん絵本を持っているけど、ディック・ブルーナの絵本を見るとあきらかににこにことするので、この単純な造形と色合いがすきなのではないか、とわたしはおもっていた。入院中、やっぱりなんかいもミッフィー の…

赤い山肌

週明け、完全看護の病院に無事転院することができた。あおとのゆが生まれた病院で、わたしにとっても慣れ親しんだ場所だけど、こどもが入院するのは初めてだ。自動販売機、の矢印について院内を歩いていると、ガラス窓の広がるスペースに、お茶とお水が出る…

窓の外、夜の森

窓の外は夜の森だった。タクシーの座席に、沢山の荷物に埋もれながら、夜の森だなあ、とわたしはおもった。これからのゆのいる病院にいく。家族で清里の森に遊びに行って、わたしはひどい風邪をひき、いつも一人で元気だったのゆがその風邪にうつり、あれ、…

のゆの、充実

のゆが、ずっと懸案事項だった、右側への寝返りができるようになった。おもちゃを取ろうとして手を伸ばしてそのままさりげなく、反動でも勢いでもなく。それはきれいな寝返りだった。 それからの1週間でのゆの動きは日に日にバリエーションを増し、うつぶせ…

絵本棚のまえで。

『ふたりママの家で』(パトリシア・ポラッコ作 中川亜紀子訳)という絵本がきた。クラウドファンディングで翻訳、出版を目指していると聞いて、出資したからだ。夕飯の後、もう寝る時間を過ぎていたけど、かりんとよんだ。3人の養子を育てるふたりママ、女…

のゆの栄養指導、その後。

月に一回の外来で栄養指導を受けて3回目。今日は今までの人と違う栄養士さんで、あまりダメ出しがなかった。いつもの人はめちゃめちゃ明るくて、顔をくしゃくしゃにして笑いながらいろんなことを突っ込んできて、市販の離乳食は「たらのクリーミードリア」と…

あかちゃん、あらいたて。

あかちゃんというものは、なんだかあまり汚れなそうなイメージと裏腹に実はけっこうな新陳代謝ともろもろの排出物で、入浴が必須なのだけど、それにしてもお風呂に入れた後の顔がひとかわむけたように白いのとか、髪がふわふわサラサラと頼りなくなるのとか…

手の記憶

のゆは、体が小さく力が弱いのがわたしのいちばんの気がかりなのだけど、咀嚼嚥下、つまりものを食べたり飲み込んだりする練習だけは、比較的順調で、最近は柔らかいものを舌と上顎で押しつぶして噛んで飲み込むことができるようになったし、その時はちゃん…

川を渡るために

なんにちかまえ、地域の発達相談センターみたいなところで開催された、先輩お母さんの話を聞く会、というのに行ってきた。なんの先輩かというと、こどもの発達に不安やなんらかの特性があり(ここでは発達に不安のあるお子さん、と表現される。障害とか遅れ…

声の後追い

のゆはずいぶん前から人見知りをするようになり、一時期は療育でPTの先生と向き合っても泣いていたけど、最近はあまり泣かなくなった。相手をまじまじと観察し、警戒はあらわにするけれど、とりあえず関わることにしたみたい。その代わり、そういう場所でわ…

海にいくのゆ

なつやすみのおわりのおわり、のゆと初めて、海へいった。かりんがあきらめずに海、海と言い続けた結果、台風をにらみながら急遽ホテルをとったのが、義母がすすめた、伊豆の今井浜だった。おっとのなつやすみを1日ずらしてもらい、ファミリールームがひと…

のゆと、フォトグラム

夏休みの、終わり頃。写真家の北野さんが、フォトグラムを作るのにモデルになる赤ちゃんを探していると聞いて、のゆを連れて造形大に行った。がっこうが夏休みなので、かりんもつれていった。ハイハイで動き回る前くらいの月齢の赤ちゃん、と聞いたけど、月…

いとこの風景

わたしには近しいいとこが3人いて、それは亡くなったおばのこどもたちで、年上のおんなのいとこがふたり、年下のおとこのいとこが1人、それぞれがいまでは子どもをもっている。うえからふたりめのれいちゃんのことがわたしはむかしから大好きで、それは憂い…

お葬式

翌々日は、おばのお葬式だった。電車を乗り継いで一時間半かかるのであおはおっとと置いていくことにして、お通夜も諦め、やっとの葬儀参列だった。かりんは黒いベロアの半袖のワンピースを着ている。日曜に、近くの朝市イベントでこどもたちとフリマを出し…

お弔いの午後

わたしのおばである、母の姉が亡くなった。おばの病は徐々に全ての筋肉が動かなくなる、難病といわれるものだったので余命を告げられてはいたけれどそれよりもはるかに早いことだった。 おばの母、つまりわたしの祖母はことし101で、母がおばの家にあれこれ…

のゆの栄養指導

先週病院にいったとき、手術後、体重が減ってしまってなかなか増えないという話をしたら栄養指導を受けることになった。のゆのそれまでの食事は、おかゆ、野菜、くだもののペースト。たまにとうふ、しらす。母乳、お茶、たまにミルク。という具合で、母乳で…

のゆのことば

きょうは、のゆの言語指導だった。赤ちゃんなのに、言語指導。その響きに、ふふ、と笑いそうになる。でもそうなのだ、言語はもう、始まってる。のゆは喋ってる、と毎日思う。かおで、からだで、笑いで、泣き声で、あるいは、泣き止むこと、泣き出すことで。…

のゆの胸に住むもの

のゆの首の、ほとんど目につかない傷痕について書いたが、ほんとうならのゆの傷痕といえば胸にある開胸手術の傷だろう。傷が中にへこんでくっついてしまうことの方が良くないそうで、わざと、皮膚は盛り上がるように縫われている。退院してきたのゆは、痩せ…

のゆの傷痕

のゆは首を左に傾けるのが好きだ。そして、右に傾けるのは好まない。お風呂でのゆをひざに寝かせてからだを洗うときなど、のゆの右の首筋はよく見えて、左側を洗うのは難しい。右の首の付け根には、3つの小さな、見えるか見えないかくらいに薄くなった針穴…

大雨の夜

のゆが、退院することになった。最後に一日しっかり授乳してみて、のゆが飲む母乳の量を調べることになり、わたしが23時の授乳まで付き添いをした。よほど問題なければそれで退院。おそらく最後の夕食なので、行ったことのない、魚が勧められている店に、一…

緑の中庭

病院の最上階には、レストランがある。ガラス張りの展望フロアで、遠くには山影、足元には運動場やテニスコートのみどりが見える。うすぐもりの白い午後、窓際の席で、ドレッドヘアを太く束ねた黒人の女のひとが食事をしていて、その向こうは逆光で白い曇り…

多情なひと

真夏日の日曜日。おっととあおが散歩に出ようとする瞬間に宿題をおえたかりんは、帽子をかぶって、弟と一緒に外へとびだしていった。わたしも急いで支度をして、保冷バッグに搾乳を入れて、外に出る。タクシーにのった瞬間、わたしのきもちはぜんぶのゆのほ…

ふにゃふにゃ

きのう、病棟にうつってから2回目のリハビリの人が来てくれた。 手術後ののゆは、ふにゃふにゃだ。病棟にうつってすぐは、すわっていたはずの首も、ぐらぐらだったし、手を伸ばしておもちゃをつかむことも、そもそも腕を持ち上げることも減った。活発だった…

深夜の無声フィルム

わたしのおっとは、ひどい小児ぜんそくだった。だから、昨夜あおが咳がひどくて泣きながら胸を上下させて寝ていた時、義母の判断は早かった。着替えと保険証と、昼間小児科でもらった薬をもち、私があおを抱いて、タクシーに乗り込む。のゆのいる病院が、こ…

のゆの哺乳瓶

今日にも一般病棟にうつるかも、といわれていたのゆだけど、朝ICUにいったら、まだちゃんといた。そして突然(わたしからすると)経管栄養だった特殊ミルクをやめて、母乳を、口から哺乳瓶でのむことになった、という。まずは哺乳瓶でミルク、からステップア…

レイニー・レイニー・デイ

はじめてわたしの面会中にリハビリの理学療法士さんがきた。看護師さんから昨日もリハビリがあったと聞いていて、いま一体どんなことをやるのか、聞き出してはいたのだけど、もともとこの病院のリハビリに興味しんしんだったので、色めき立ってしまう。 のゆ…