わたしの産んだ、3人めのこどもは、のゆり、という。

21トリソミー、ダウン症を持つ三人目のこども、のゆりとの日々。きょうだいブログ『あおとわたし』(https://aoinotediary.hatenablog.jp/)も始めました。

声の後追い

のゆはずいぶん前から人見知りをするようになり、一時期は療育でPTの先生と向き合っても泣いていたけど、最近はあまり泣かなくなった。相手をまじまじと観察し、警戒はあらわにするけれど、とりあえず関わることにしたみたい。その代わり、そういう場所でわたしの後姿や遠ざかる姿を見るとすぐに泣き出す。抱きあげると、ピタリと泣き止む。充電器みたいだといつも思う。携帯を、充電器にさすと指した途端にパッと充電中の表示が出る、あの感じ。きょうもわたしが抱っこひもを取りに遠ざかるとこちらをみて泣きはじめ、それをみてこどもが大きくなったお母さんたちがかわいい!かわいい!とざわめく。その、置いて行くな、遠くに行くな、の顔を見て、あ、のゆは声で後追いしてるんだな、と突然わたしは、理解した。わかっていたことだけど突然その言葉になって理解した。

 

のゆは寝返り移動もしないし、もちろんまだハイハイもしない。自分の望みで移動するということはほとんどない。でもハイハイの赤ちゃんがよくする後追いというものを、この子は声でやっているのだ。なんだか感動した。のゆの声は体のいちぶとして、駆使されている。手を伸ばすように、足をはこぶように、のゆは声を動かしている。