わたしの産んだ、3人めのこどもは、のゆり、という。

21トリソミー、ダウン症を持つ三人目のこども、のゆりとの日々。きょうだいブログ『あおとわたし』(https://aoinotediary.hatenablog.jp/)も始めました。

のゆのことば

きょうは、のゆの言語指導だった。赤ちゃんなのに、言語指導。その響きに、ふふ、と笑いそうになる。でもそうなのだ、言語はもう、始まってる。のゆは喋ってる、と毎日思う。かおで、からだで、笑いで、泣き声で、あるいは、泣き止むこと、泣き出すことで。快、不快の泣き声ではなく、伝えるために自在に泣き声を操っている。喜びを伝えて体をはねさせたり、手を伸ばしたり、真顔でこちらを見てきたり、拒絶の仕草で顔を背けさえする。こんなに、赤ちゃんが喋ってると確信したことはない気がする。

 

「一音で、ことばです」と、今日先生は何度も言っていた。発語が遅い、単語や文章となるとほんとうに操るのが遅いダウン症児と親に向かって、ひとつの音がもう、ことばだと。のゆのときは、私の話を聞いて先生は「一音でことばだけれど、ひと泣きでことばですね」と言った。認知の面や感情表現が成熟して、からだは赤ちゃんみたいでアンバランスに感じて、なんとなく不安だったのだけど、充実した内面をもっている、体はあとからついてくるよ、と言ってもらって、わたしはすっかり安心する。

 

しばらく待合室で、親の会の人たちとおしゃべりをし(この言語指導は親の会で先生を呼んで主催してくれている)、先生といっしょにお昼ご飯をたべ、のゆは膝の上で離乳食を食べた。昨日は病院で栄養指導も受けたし、これからはのゆに、たくさんカロリーをとらせて、大きくしなきゃならない。でもとりあえず今日は、わたしが感じていたことーからだはこんなに赤ちゃんで、発達が遅いけど、精神的にはとても成長しているみたい…という直感ーが思い込みではなかったとわかって、嬉しいきもちだった。いまののゆは、わたしにはすべてがことばに見える。