わたしの産んだ、3人めのこどもは、のゆり、という。

21トリソミー、ダウン症を持つ三人目のこども、のゆりとの日々。きょうだいブログ『あおとわたし』(https://aoinotediary.hatenablog.jp/)も始めました。

生命力

久々にのゆが熱を出した。夜中に吐きそうになるような咳をして起き上がっているので、気持ち悪い?と聞くとコクンと頷き、洗面器やらタオルやら用意したけど一向に吐けず、今思うとおそらく痰が絡んでいたんだけど、そのままリビングに移動して床に毛布を敷いて寝た。私もそのそばで寝た。朝になると高熱が出ていて、スポーツドリンクを見つけ出してコップについで渡すと、のゆは起き上がって、ゴクゴクと飲んだ。そのまままたバタンと寝て、しばらくすると起きてまたゴクゴク。ご飯は何回聞いてもいらない、といい、ひたすら寝て、飲んだ。小児科の予約が夕方になったので、ソファで寝るのゆを見ながらわたしは、手間のかかる洗濯物をしたり、直そうと思っていた破れたズボンなどの繕い物をして静かな午前中だった。たまに起き上がるのゆの飲みっぷりは見事なもので、その度にゴク、ゴク、と喉がなった。

 

小さい時は体が弱くて、ご飯が抜けたら低血糖、風邪を引いたら肺炎という具合だったのでわたしはのゆの看病には慣れているけど、その喉の音はものすごく力強く、生命力そのものの音だった。飲み物は間違いなくいのちの水だった。もう大丈夫なんだなとおもった。寝て、飲んで、を繰り返すのゆは、自分の生命を繋ぐ方法を知っているんだと。小さな体にみなぎるその生命力の音に、わたしは感動して、何回でも、小さいコップを渡すのだった。