今日にも一般病棟にうつるかも、といわれていたのゆだけど、朝ICUにいったら、まだちゃんといた。そして突然（わたしからすると）経管栄養だった特殊ミルクをやめて、母乳を、口から哺乳瓶でのむことになった、という。まずは哺乳瓶でミルク、からステップアップかとおもっていたので、びっくりする。
それにしてものゆは、哺乳瓶がきらいなのである。わたしがそばにいたらなおのこと嫌がるのではないかと懸念した。でも、久々に口から飲むのだから嬉しくて吸い付くような気もした。わからないので一歩離れたところから看護師さんの手元をじっと見ることになった。それは小さな哺乳瓶で、普通のそれよりだいぶ細くて短いガラス製、先に薄いクリーム色のキャップがついているところまで、うちにあるおもちゃの哺乳瓶そっくりだった。
のゆはミルク飲み人形のように傾けられて、くちにちいさな哺乳瓶を入れられた。そして嫌がることなく、吸い出した。のゆのちいさな哺乳瓶。本当に、人形みたい。わたしはお昼のために地下に降りて、いつか目をつけていた着せ替え人形を、また、見に行った。
