わたしの産んだ、3人めのこどもは、のゆり、という。

21トリソミー、ダウン症を持つ三人目のこども、のゆりとの日々。きょうだいブログ『あおとわたし』(https://aoinotediary.hatenablog.jp/)も始めました。

Iちゃんと唐揚げ

のゆには、何人かの幼なじみがいる。同じ月に生まれたダウン症のある女の子たちで、ひとりは同じ市内に住んでいるIちゃん。発達支援センターで初めて出会った友達だ。Iちゃんはのゆよりずっと活発で、積極的で、体格も良く、なんとなく先輩みたいにわたしは感じていて、予想に反してのゆのほうが早く歩き始めたし、体の大きさも今ではほとんど変わらなくなったのだけど、いまでもなんとなくそこは変わっていない。

 

久々にセンターで会って話をしていると、Iちゃんがもうおにぎりやらハンバーガーをかじるんだけど、あまり噛まないので困っている、という話になった。なんとなんと、唐揚げも食べる!のだという!

「唐揚げ?!」とわたしはびっくりして、それというのものゆは、固いものは一切受け付けない、バナナもパンも、パンがゆになっていれば食べるけどかじることは絶対しない。赤ちゃんせんべいもボーロもだめ。そもそも食べ物を手で触るのが嫌なので掴み食べは一切しない。離乳食後期というていの食事を、小さなスプーンを握って口に運ぶのが、彼女のやり方だなのだ。だからIちゃんが唐揚げとおにぎり食べてるよ、といわれると、「すごーい!」の一言で、「唐揚げ?おにぎり?ハンバーガー?外食できるじゃん!」と、騒いでしまう。実際はわたしにはそれがとても嬉しいニュースで、よく知る、活発で人懐っこいIちゃんが、その人懐っこさのような勢いで食べ物に向かっているのを思うとそれはそれは好ましくて、かわいくて、胸が勝手にあたたまっていく。だってそれはとても、Iちゃんらしいんだもの。

 

SNSで、同じ月齢のダウン症の子や年下の子がすごい発達を見せていたりすると、普段は気にしていないのに、ある日突然のゆの発達や月齢を変数にして、あれ?!と愕然とすることもある。だからIちゃんの唐揚げの話を、愛しいとだけ思った自分の心の動きは、嬉しかった。

 

Iちゃんがするどんなことも、わたしにはとてもIちゃんらしくみえて、誰と比べることなく、かわいいと思う。Iちゃんの母のアコちゃんも、きっとのゆのことをそう思っている。一緒に過ごして、その存在を目の前で見続けた時間の量、その強さを、知ったような気がした。