雨の土曜日、関西でこどもの発達研究所というのを開いている牧田ともこ先生の講座をきいてきた。わたしが先生の話を聞くのは今日で三回目で、初めての時は先生が自閉症の息子さんと徹底的に向き合いドーマン法をはじめとするたくさんの訓練と、それだけでなくこどもに必要なものを自分で見極め追究していき、やがて、こどもの発達研究所でたくさんの子供と向き合うようになるまでのお話を聞いた。あまり動かない表情での、淡々とした語り口、その様子から想像できない、ゾッとするほどの強い信念にわたしは射抜かれたのだった。
先生はちょっと怖い、怖いけど、惹きつけられるし、信頼できる。そう感じるのは、先生がとても怒っているからだと、今日わかった。先生はとても怒っているのだ、障害のある子が学ぶことを嫌いに「させられ」、適切に学べず、自由に生きられなくなることの多さに。
本人は頑張っているのに「できない」と失望され、理解できないかわりにせめて覚えこませようと攻め立ててくる大人によって、「学び」から疎外され、学ぶことを嫌いにさせられ、未知のものを恐れ(覚えさせようと攻め立ててくるから)閉じこもること。あるいは、わがままにしているのに障害のせいだとされて受け入れられ続け、どんどん手に負えなくさせられること。「できなくていい」と言われて嬉しい子はいないんです。先生ははっきりと言った。こどもは成長したがっている。学びたがっている。できないと決めつけられできないままにさせられている多くの子どもたちの状況を、先生は静かに怒っていた。
わたしはわたしの、これまでの思い込みや、考えることなく信じていたいろんなことを、自分で自分に怒って、引き剝がさないといけない。こどもの力への信頼だけを礎に。