土曜日。のゆの入院前のさいごの週末、午後はみんなでちかくの広場へ遊びに出た。かりんは自転車、あおはストライダー(幼児用のペダルなし自転車で、これでバランスをとる練習をしておくと自転車にすぐ乗れるようになるといわれているスグレモノ)、そしてシャボン玉各種をもっていく。のゆはベビーカーに寝かせて、かりんがおっとと自転車をとりにいっているあいだ、あおとまず、シャボン玉をした。驚くほどこまかく出てくるたくさんのシャボン玉をあおはこいぬのように追いかけ、のゆにも見えるようにわたしはあちこち風向きにあわせてベビーカーをうごかす。かりんもきて、長いスティックのシャボン玉をふりまわして、たくさんのおおきなシャボン玉をつくってはバトミントンのようにそれをスティックで受けとめる。なにが楽しいのかとおもうくらい、笑いが止まらないのがシャボン玉のふしぎ。
むし暑い午後だ。のゆを一足先にへやにつれていくためにベビーカーを押しながらわたしはおもった。でも楽しい夕方だ。歩道と芝生があるだけの広場をこどもたちは、ドッグランのこいぬたちのようにのりもので回り続ける。