わたしの産んだ、3人めのこどもは、のゆり、という。

21トリソミー、ダウン症を持つ三人目のこども、のゆりとの日々。きょうだいブログ『あおとわたし』(https://aoinotediary.hatenablog.jp/)も始めました。

のゆの幼稚園

今日、のゆは初めて幼稚園に行った。と言っても兄のあおが通っている幼稚園の小さい子向けのクラスで、あおが過ごすのは一階、のゆが過ごすのは二階の小さな部屋だ。まだ集団というほどの活動はあまりなく、モンテッソーリの教具がいろいろと置いてある部屋で自由に好きなものに触って過ごすので、グループだと無表情になってしまうのゆでも過ごしやすいだろうと思っていた。とはいえ今の預かり療育でも、慣れて声が出るまでに半年かかったり、1人で預けられた初日は泣きもせず食べもせず飲みもせず「ストライキ」したツワモノなので、幼稚園に入っても、「半年、部屋の隅で見てるだけでもいい。それがこの子の学びである」、と覚悟して入園させたのだけど、それはありがたくも杞憂に終わり、ひとしきり泣いてからはあれこれと〈おしごと〉をしたのだそうだ。お迎えの時に先生に聞いて本当にびっくりした、ような、でも、日頃から机上課題のようなものがわりと好きなのゆの様子から、あの部屋には興味を引くものがたくさんあるだろうと知っていたところもあり、自分が期待しすぎないように過度にブレーキをかけていたのだなと知る。

 

朝、兄とお揃いの通園リュックと上履き入れを持って名札をつけたのゆは、それは嬉しそうにマンションの玄関まで笑いながら歩き、さすがにそのまま歩いていると間に合わないのでベビーカーに乗せたけど、幼稚園につくと、当然のように玄関から入って靴を脱ぎにかかったのだった。わたしが出てしまうとドアの向こうから泣き声が聞こえたけど。帰りはたまたま兄と同じ時間になったので、2人で並んで玄関から出てきた。そして帰り道に通る公園まで一人で歩いた。アプリで測った距離によればそれはおよそれ200メートルだった。

 

家までは1キロもない。そのうち歩いて登園するようになるだろう。兄と同じ世界に混ざるのが嬉しくて、みんなと同じリュックが嬉しくて、自分の足で、歩いて行くようになるだろう。入る前は、あんなに療育との両立を心配していたのに、いかせてみたらもう、幼稚園生活を全うする方が、健全な生活のように思えてくるのだった。

 

(1ヶ月前に書いて下書きに入っていたものを今日投稿。)