わたしの産んだ、3人めのこどもは、のゆり、という。

21トリソミー、ダウン症を持つ三人目のこども、のゆりとの日々。きょうだいブログ『あおとわたし』(https://aoinotediary.hatenablog.jp/)も始めました。

のゆのきょうだい

薬局で薬を待っていると、シャンシャンが、もうすぐ一歳で、26キロになったとテレビのニュースで言っていた。26キロ!

 

のゆが生まれた病院にまだ入院していたころ、わたしは先に退院し、ひとりで自宅に戻った。こどもたちはおっとの実家に滞在していて、わたしは昼間病院に行って、夕方ひとりで帰る生活をしていた。そのころ、シャンシャンのことをよくニュースでやっていた。生まれて数ヶ月、ちょうどパンダらしく愛くるしくなり、公開間近で、その体重の増え方、育ち方がいちいちニュースで報じられていたころだった。ダイニングテーブルの上のライトだけの薄暗い部屋にテレビの画面が浮かび上がって、そこにシャンシャンの姿がうつっている光景をわたしははっきりとおもいだす。のゆは生まれたばかりだった。まだなにがどうなるかわたしにもよくわかっていなかった。不安だけど穏やかだった。静かすぎて、めっきり縁遠くなっていた夕飯時のテレビにくわしくなった。そして毎日夕飯の時シャンシャンのことをきいていた、そのせいで、わたしはシャンシャンがのゆのきょうだいのような気がしてしまう。

 

シャンシャンはすっかり大きくなり、のゆはまだちんまりと小さいけど、どちらも元気にそだっている。いつか上野動物園に連れて行き、のゆにシャンシャンを見せよう。シャンシャンとのゆはなかまなんだよ。同じ頃に生まれた赤ちゃんだったのだよと、わたしはのゆに、言うだろう。