わたしの産んだ、3人めのこどもは、のゆり、という。

21トリソミー、ダウン症を持つ三人目のこども、のゆりとの日々。きょうだいブログ『あおとわたし』(https://aoinotediary.hatenablog.jp/)も始めました。

祖母の喪服

祖母のお通夜が決まったので当日になってウォークインクローゼットの奥から喪服を探し出す。忘れていたけど祖父の葬儀の時に祖母からもらった喪服で、黒いレースのワンピースがあった。もらった、というより、妊婦だったわたしのために母が祖母の納戸から見つけ出し、大きなサイズだからいいだろうと着せてくれたのだった。蒸し暑い今の季節にぴったりだ。妊娠中に着たはずなのに違和感なく着れる不思議には目を瞑り…これを着ることにする。スーツ型の喪服に比べるとやや派手な気もしたが、そもそも祖母のものなのだし、祖母とのお別れにはふさわしいと思った。

久々にパールのネックレスの箱を出してくる。小さいパールのピアスをしていたけど、でがけになって少し大粒の霞んだブラックパールのようなピアスを見つけて付け替える。大きいのに安かったので、品質はわからないけど、まあいいや。

雨が降り出していたので黒い折り畳み傘を出そうとして、昔、母が絵付けをしてくれた黒い晴雨兼用の傘を手に取った。黒いレースの縁取りがあるこぶりの傘に、トールペイントで花の絵が描かれている。閉じていれば模様は見えない。取手はべっこうだけど、身内だけの式だし、まあいいか。レースのワンピースにこの傘で、やや、お通夜っぽくないいでたちになった。髪の毛もまとめていたけど久々におろしてみた。ますます行き先のよくわからないいでたちになった。

わたしたち(わたしと妹)は祖母に一番近い孫だった。おしゃれが好きで歳をとったからと写真に映るのを嫌がるほど見た目にこだわる人だった。可愛がった孫がおしゃれしてお通夜に来た方が、喜ぶだろう。場に相応しくなくても綺麗な方が良いとするだろう。そう思うと祖母のチャーミングなところばかりが浮かび、久々に、祖母に会いにいくような気持ちで家を出た。

ハンドバッグを開けてみたら数珠がなかったので、ネイビーの石が綺麗な数珠を買った。祖母もまた、石や銀の宝飾が好きな人だった。